2020.04.29

〈特別編〉日本毛髪科学協会2019年秋季セミナー採録「女性の薄毛」の現状と治療②

〈特別編〉日本毛髪科学協会2019年秋季セミナー採録「女性の薄毛」の現状と治療②

日本毛髪科学協会2019年秋季セミナー採録②

育毛研究の第一人者の桑名隆一郎博士が、先頃、神戸市で行われた日本毛髪科学協会の秋季セミナーにおいて、女性の薄毛に関する講演を行いました。

①では、女性の薄毛の原因とメカニズムについてご紹介しました。

今回は、女性の薄毛のパターンから桐葉エキスの効果について、ご紹介いたします。

女性の薄毛の主なパターン

女性の脱毛症は、大きく分けて三つのパターンがあります。

一つ目は、日本人女性に一番多いとされる女性型脱毛症。遺伝的に薄毛になりやすい人が女性ホルモンや男性ホルモンの影響を受けることで、毛髪が太く成長しないまま抜けてしまい、徐々にボリュームダウンして薄く見えてきます。

 

二つ目は、60代半ば過ぎから起こる加齢性脱毛症です。程度に個人差はありますが、頭髪全体が細くなるのが特徴で、しだいに地肌が見えるようになることもあります。

 

三つ目は、慢性休止期脱毛症。内科的病気や薬剤による脱毛、大きな病気の後で起こるストレス性脱毛などで、疾患そのものを治療することが先決となります。これらの脱毛症は単独で起こることもありますが、いくつかのタイプを併発することもあります。

 

桐葉エキスの毛包細胞増殖作用

女性は男性に比べて著しい脱毛ではないため、科学的根拠のある育毛剤によって毛髪をつくる細胞を活性化させることで、予防・改善効果が十分期待できます。
そのひとつが、桐葉エキス配合の育毛剤です。桐葉エキスは、シャーレ内での培養試験において、毛包細胞の増殖が確認された成分です。桐葉エキスに含まれるイソアセトシドなどの成分に、その作用があることが認められています。

桐葉エキスとは…

中国の古い文献や『大和本草』などに「髪によい」との記述があり、長く美しい髪を愛でる女性たちのあいだで重宝されていた桐の葉。日本でも古くから桐は生命力が強く、成長も早い植物として知られていた。その桐の葉から、科学的検証を繰り返し抽出したエキスが植物保湿成分「桐葉エキス」。清流吉野川の源流から豊かな水資源に恵まれた徳島県剣山にて手作業で収穫された桐葉だけを厳選し使用。鮮度を保ったまま素早く加工し、エキスを精製している。

収穫の様子

「女性の薄毛」の現状と治療②まとめ

・女性の脱毛症には大きく三つのパターンがある。

①女性型脱毛症 ②加齢型脱毛症 ③慢性休止型脱毛症

・桐葉エキスに予防・改善効果が期待

シャーレ内の培養試験において、毛包細胞の増殖が確認された「桐葉エキス」女性の脱毛の予防・改善効果が十分期待できる。

最終回となる次回は、女性の脱毛の改善例による明るい未来をご紹介します。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。