2020.08.19

抜け毛・薄毛の危険信号「ミネラル不足」

抜け毛・薄毛の危険信号「ミネラル不足」

健康な髪を育てる基本の一つが、いろいな栄養をバランス良く摂ることです。しかし、普段通りの食事でも不足しやすいのは、5大栄養素の一つの「ミネラル」です。

不足すると抜け毛や薄毛に繋がるため、夏場は特に意識して摂る必要があります。

ミネラル不足に陥りやすい夏場

髪が育つためには、髪のもととなる「たんぱく質」をはじめ、さまざまな栄養素が必要です。しかし、夏場は、暑さで食欲不振になったり、胃腸が弱って消化・吸収が悪くなったりして、髪に十分栄養素が届けられていない可能性があります。

とくに意識してほしいのが「ミネラル分」です。1ℓの汗で1~2mgのミネラルが流出すると言われていますが、この季節は汗を大量にかくため、いつも以上に体内のミネラルが流出し、不足しがちになります。

さらにミネラルの吸収力は加齢によって低下するため、年齢を重ねた女性はとくに注意が必要です。

 

一時的な脱毛症を招くミネラル不足

ミネラルの中でも「亜鉛」と「鉄」は不足すると抜け毛や薄毛につながることもあります。日頃から乱れた食生活を送っている人は見直す必要があるでしょう。

亜鉛には、食事で摂ったたんぱく質を体内で髪の毛に変える働きがあります。そのため不足すると抜け毛が増え、髪が生えてこなくなることがあります。

また、鉄が不足すると血液中のヘモグロビンの生成量が減少し、髪への栄養補給が滞って髪が抜けやすくなります。

 

こうした亜鉛や鉄不足による脱毛は、髪の生え替わりのサイクルが乱れることによって起こるもので、「休止期脱毛症」と呼ばれます。この場合、食生活を改善すれば症状が治まるのが特徴です。

原因不明の抜け毛があれば、まずは皮膚科を受診して、検査を受けましょう。

 

ミネラルは毎日の食事で効率よく摂る

ミネラル不足による抜け毛は、食事によって防ぐことが可能です。髪の主成分であるたんぱく質はもちろんのこと、毎日に食事にミネラル豊富な食品をバランスよく取り入れましょう。

亜鉛

食事で摂ったたんぱく質を髪に変える役割がある。汗をかきやすい、だるさが続くなどの症状があれば不足している可能性が。

血液中のヘモグロビンの生成を助け、髪の毛根に栄養を届ける役割がある。不足するとめまい、貧血、肩こりなどが出るが、自覚症状がない場合もある。

食事で摂りにくい場合は、サプリメントの活用も視野に入れるのもおススメです。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。