2021.08.18

【博士の育毛診療日誌】女性型脱毛症の顕著な改善事例

【博士の育毛診療日誌】女性型脱毛症の顕著な改善事例

頭頂部の薄毛が目立ってきた37歳女性の事例

「9ヵ月くらい前から薄毛が目立ってきたのですが、何かの病気でしょうか」と来院されたTさん(37歳)。原因を検査すると脱毛の原因となる鉄や亜鉛不足はなく、甲状腺ホルモンの異常も見受けられませんでした。

目視による診察では、頭頂部だけが薄くなっており、典型的な女性型脱毛症だと思われました。女性型脱毛症とは遺伝的な要因で頭頂部を中心として一部の毛が軟毛化(細く短くなる)するのが特徴です。

しかし、男性と異なり、すべての毛が軟毛化するわけではないため、育毛効果のある育毛剤と生活習慣の改善によって、豊かな髪を取り戻すことは可能といえます。

育毛剤の外用とヘアスタイルの変更を案内

Tさんは1ヵ月ほど前から後ろで髪を束ねる同じ髪型をしておられるとのこと。毛根は「引っ張り」に弱いので、ただちに髪型を変えると同時に育毛剤を毎日しっかり朝晩2回外用することをおすすめしました。

以上を実行していただいたところ、しだいに抜け毛が減り、半年程度でほぼ正常な状態に戻りました。Tさんご自身も「頭頂部にふれると毛のボリュームが実感できるようになった」とおっしゃいます。

とはいえ、脱毛遺伝子自体は残っているので、抜け毛を増やさないよう、継続して育毛剤をお使いいただいています。これからも歳を重ねていかれるわけですから、将来のためにも予防に心がけていただきたいものです。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。