2021.08.04

シャンプーは何故必要?

シャンプーは何故必要?

頭皮ケアには欠かせないシャンプーですが、シャンプーは何故必要なのでしょうか?

中には毎日洗髪しないという方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今の髪の洗い方やシャンプーの選び方を改めて見直し、健やかな頭皮を保ちましょう。

 

皮脂の分泌が多い頭皮

ヘアケアの第一歩は洗髪、すなわちシャンプーです。全体で10~12万本の毛髪が生えている頭皮は、体の中でもっとも頭皮の分泌が盛んな場所です。普段は皮脂と汗が混ざり合った皮脂膜によって毛髪の潤いが保たれていますが、この皮脂膜も2~3日たつとホコリで汚れたり、酸化して刺激物質に変化したりします。また、場合によっては皮膚常在菌が異常繁殖し、フケやかゆみが出ることがあります。

こうしたトラブルを防ぐために、シャンプーで頭皮や髪を常に清潔にしておく必要があるのです。

頭皮の状態にもよりますが、毎日もしくは2日に1度はシャンプーするのがおすすめです。正しい方法は、爪を立てずに指の腹で汚れをもみ出すように洗うことがです。汚れをより効果的に落とすには、シャンプー前に頭皮をマッサージしながらお湯で素洗いするとよいでしょう。

髪を育てる土台は頭皮ですから、育毛という観点でいえば、シャンプーでは毛髪よりもむしろ頭皮の洗浄を心掛けるべきといえます。

 

トリートメントで水分量を保つ

シャンプーの目的は、頭皮や毛髪に付いた皮脂や汚れを落とすことですから、洗浄力が無ければなりませんが、強すぎると必要な皮脂まで洗い落としてしまうため、適度な洗浄力であることも重要です。

さらに、頭皮についた汚れを毛先の方まで運び出してくれる細かい泡が長持ちすること、キューティクルを傷めないようになめらかさがあること、泡切れが良くすすぎが簡単であることも良いシャンプーのポイントです。

 

シャンプーというのは、頭皮や毛髪を洗ってきれいにするだけではなく、後の手入れまで済ませて初めて”正しいシャンプー”といえます。

シャンプー後の毛髪は皮脂膜が洗い流されるているため、そのまま乾燥させるとツヤを失ってしまいます。皮脂膜に相当する保湿成分配合のトリートメントを使用して、毛髪中の理想的な水分量(11~13%)を保つようにしましょう。

 

ひとくちコラム

洗髪しないと抜け毛につながる!?

頭をずっと洗わないでいるとどうなるか。毛根を顕微鏡で経過観察した試験では、抜け毛につながることが明らかになっています。まず4日後くらいから毛根は皮脂などの汚れで覆われ始め、その後どんどん汚れが蓄積していきます。そして30日後には、汚れに遮られて髪をつくる毛乳頭へ血液が十分に届かず、やがて抜け毛につながっていきます。

 

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。