2018.04.04

どうして春は「育毛シーズン」なの?

どうして春は「育毛シーズン」なの?

育毛剤は毎日朝晩使うのがコツ

ーどうして春は「育毛シーズン」なのですか?
春から夏にかけては、抜け毛の本数が減り、1年中でもっとも髪の毛の量が増える時期です。ですから育毛剤の手応えを感じやすく、やる気も出てきます。
また、草木がぐんぐん成長することもあり、発毛をイメージしやすいのではないでしょうか。

―この時期のお手入れでとくに気をつけることは?
4月頃から紫外線が強くなるので、帽子や日傘で、 頭皮の硬化を招く日焼けを防ぎましょう。皮脂やホコリも増えますから、洗髪前にブラッシングして汚れを取る工夫も必要です。
そして、髪が増えやすい時期なので、この機会に1日30秒の頭皮マッサージを習慣にして血行を良くし、髪の成長をサポートしていただきたいですね。

―育毛剤での効果的なお手入れのしかたは?
もっとも効果的なのは、毎日朝晩お使いいただくこと。1回の目安量を守り、薄毛の部分だけでなくその周辺につけるのもポイントです。その量で効果が出るよう成分を処方しているので、正しく使えば改善を実感できるでしょう。
なかなか変化が出ないという方は、使い方に問題がある場合も多いようです。

原因を正すことで薄毛は軽快します

―桑名皮フ科での薄毛治療について教えてください。
まず血液検査やマイクロスコープによる頭皮診断などで薄毛の原因を突き止め、原因がわかればそれを取り除きます。
病気が原因であれば治療していただき、過剰なダイエットや髪に負担をかける髪型が原因であれば、それを改めてもらうなどですね。 同時に、発毛を助けるために育毛剤の外用も行います。

―薄毛が改善される患者さんは多いのでしょうか。
指導を守っていただくことにより軽快するケースはたくさんあります。ただ、皆さん当然のことながら、薄毛が改善してきたらぱったり来院されなくなる(笑)。
お会いできず残念ですが、良い状態を維持するためにも、ご自身でお手入れは続けていただきたいですね。

―逆になかなか薄毛が改善しにくい患者さんは?
やはりご指導を実践されない方は、改善しにくいですね。髪を引っ張る髪型が原因の牽引性脱毛症であるのに、頑固に髪型を変えない方もいます。
こうした傾向は、おしゃれにこだわりの強い若い女性に多く、年配の方のほうが素直に改めてくださいます。

いくつになっても髪は育ちます

―年齢を理由に育毛をあきらめる方もいますが…。

育毛に年齢は関係ありません。桑名皮フ科にも、87歳になる女性が受診されていますし、 私の母も84歳から育毛剤で育毛を始めました。
これまでの治療実績でも、特に中高年の方ほど薄毛が改善しやすい傾向にあります。 大切なのは、あきらめない気持ちです。 それがお手入れ継続の最大の秘訣です。

―最後に、薄毛に悩む女性にメッセージを。
男性の薄毛の原因がほぼ遺伝の影響であるのに対し、 女性の場合は遺伝に加え、加齢や生活習慣などの要因が複合的に組み合わさって起こるため、薄毛が改善しやすいのです。結果を信じて使い続けていただきたいですね。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。