2018.09.05

正しいシャンプー選びは「洗浄成分」がカギ

正しいシャンプー選びは「洗浄成分」がカギ

汗をかくことが増えるこの季節は、シャンプーの機会も多くなることでしょう。そんな中、どんなシャンプーを選べば良いのかわからない人もいるのでは?そこで今回は、自分に合ったシャンプー選びについて桑名博士に伺いました。

頭皮の乾燥を防ぐには洗浄成分に着目を

この時期は、新陳代謝が活発になり、汗や皮脂で頭皮もベタつきやすくなります。しかし、すっきりしたいからといって洗浄力の強いシャンプーを使うと、頭皮の潤いを保っている「皮脂膜」まで除去してしまう可能性があります。
皮脂膜が必要以上に奪われると、頭皮が乾燥してフケやかゆみなどのトラブルにつながります。とくに年齢を重ねた女性の場合、頭皮が乾燥しやすい傾向にあるため、シャンプーの洗浄成分には注意が必要です。

頭皮の乾燥度チェック

□ 最近、フケがよく出る
□ 頭皮にかゆみがある
□ ゴシゴシ洗うのが好き
□ ドライヤーを長時間使用する
□ 髪にツヤがなくなった
□ 肌がかさつきやすい
□ 直射日光によく当たる

3つ以上当てはまる人はお使いのシャンプーの洗浄成分を確認してみましょう。

洗浄成分である界面活性剤の特徴を知る

シャンプーの洗浄成分として使われているのは、界面活性剤という成分です。
市販のシャンプーの多くは、「高級アルコール系」「オレフィン系」「アミノ酸系」「ベタイン系」の4種類の界面活性剤を混ぜて配合しています。
高級アルコール系は、泡立ちが良い半面洗浄力が非常に強いため、皮脂が多い若年層には向いていますが、敏感肌や乾燥肌の方は頭皮のトラブルにつながることもあります。
また、オレフィン系は、高級アルコール系より刺激はやや弱いものの、洗浄力は強めといわれています。
最近は「高級アルコール系不使用」とうたわれるシャンプーに使用されることが多いようです。

界面活性剤の種類と特徴

種類 表示成分名 洗浄力・刺激 洗浄力・刺激泡立ち 価格
高級アルコール系 ラウリン硫酸Na
ラウレス硫酸Na
とても強い とても強い 安価
オレフィン酸 オレフィン(C-14-16)スルホン酸 強い とても強い 安価
アミノ酸系 ココイルグルタミン酸TEA
(N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン液)
ココイルアラニンTEA
(N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミン液)
やさしい 弱い やや高価
ベタイン系 コカミドプロピルベタイン
ラウラミドプロピルベタイン
(ラウリン酸アミドプロピルベタイン液)
とてもやさしい 強い やや高価

 

低刺激で頭皮にやさしいアミノ酸系、ベタイン系

敏感肌、乾燥肌におすすめなのが、低刺激で頭皮や髪にやさしいアミノ酸系、ベタイン系の界面活性剤です。
アミノ酸系は、肌や髪のもととなるアミノ酸からつくられており、高級アルコール系に比べると、やや割高になります。また、中には洗浄力が強めの成分をブレンドしている場合があるため、成分表示を確認しましょう。
ベタイン系は、他の界面活性剤と一緒に配合されることが多く、泡立ちを良くしたり、刺激を抑えたりするなど優秀な成分です。
ぜひこの機会に、お使いのシャンプーの洗浄成分の特徴を知った上で、毎日のヘアケアに取り組んでいただきたいと思います。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。