2021.06.09

年齢や梅雨の時期に出てくる髪のうねり

年齢や梅雨の時期に出てくる髪のうねり

年齢を重ねると以前と比べて髪のうねりが出てくることがあり、梅雨の時期は湿度が高くより一層うねりやすくなります。

その原因と対策をご紹介します。

 

髪のうねりの原因

「若い頃は直毛だったのに、年齢とともにうねりや変なくせが出てきた」という声はよく耳にします。

これは、加齢によって栄養分の吸収力が衰えるため、髪にも十分栄養が行き渡らず、髪の構成成分が変化することによるものです。

栄養が不十分ですから、当然髪はやせてきてハリ・コシも失い、若い頃と同じ形状を保つことができなくなります。

 

ドライヤーで水分を飛ばす

とくに梅雨時期は湿度が高いので、髪が大気の水分を吸収して膨張し、うねりやすくなります。対処法としては、ドライヤーなどで水分を飛ばす方法があります。

その際、ヘアブラシなどで髪を軽く引っ張り、根元から温風を当てると、まっすぐに仕上がります。髪のダメージが気になる方は、多少時間はかかりますが冷風で乾かすと良いでしょう。

髪のうねりを抑える整髪料なども市販されていますが、髪が元気になろうとする力を阻むことになりかねませんので、使いすぎにはご注意ください。

 

しかし、ドライヤーや整髪料はあくまで一時的な対処法であり、髪を根本的に回復させることはできません。髪の構成成分の変化を補うには、やはり健康な髪を育てるための栄養を食事でしっかり摂ることです。

 

体の内外から栄養を与える

髪のもととなるアミノ酸を含んだ良質のたんぱく質を中心に、その働きを助けるビタミン・ミネラルをバランス良く摂りましょう。

髪を燃やすと硫黄のようなにおいがしますが、これは含硫アミノ酸のにおいです。含硫アミノ酸はイワシ、サバ、アジなどに多く含まれています。

また、豆腐や納豆など大豆製品にも髪に良いたんぱく質が豊富に含まれています。

 

 

また、キューティクルが荒れて傷んだ髪ほど、水分を必要以上に吸収してうねりやすくなります。髪にやさしいアミノ酸系のシャンプーを使い、トリートメントでキューティクルを保護しましょう

 

この季節、べたつきが気になるからと育毛剤などの使用を控える方がいらっしゃるようですが、外部からの栄養補給も大事です。頭皮の汗をタオルなどで拭き取ってからつけると、気持ちよくお使いいただけるのではないでしょうか。

 

 

コラム-日本人は直毛の人が多い!?

日本人を含めて東洋系の黄色人種の髪は直毛が多く、ヨーロッパ等の白色人種には波形のカールした波状毛、アメリカやアフリカの黒色人種には縮毛が多い傾向にあります。その理由の一つが、毛包の形状の違い。直毛の場合は毛包の形が直線的ですが、波状毛、縮毛の毛包は湾曲しています。生まれつきくせ毛の人は、そもそも毛包自体がカーブしているといえます。

 

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。