2020.12.09

静電気の髪ダメージと冬のブラッシング

静電気の髪ダメージと冬のブラッシング

空気が乾燥するこの時季は、ブラッシングによる静電気が発生しやすくなります。ブラシ選びやブラッシングの仕方を工夫し、静電気ダメージから髪を守りましょう。

静電気による髪ダメージは意外に大きい

ブラッシングした時のバチバチと静電気が起きる時があります。髪がもつれてうまくブラッシングできなかったり、ブラシに引っかかって切れ毛になることもあるのではないでしょうか。

ブラッシング時の静電気によるトラブルはそれだけではなく、髪の表面のキューティクルがはがれて髪をつくっているたんぱく質や水分が流出しやすくなし、髪やせやパサつきにつながる可能性があります。

 

また、静電気は空気中の汚れを吸着しやすいため、髪や頭皮が不衛生になるりがちという悪影響も出てきます。

 

静電気は冬場の空気の乾燥で起こる

そもそも静電気は、物質がもつ+(プラス)の電気と-(マイナス)の電気が摩擦でぶつかり合うことによって起こります。乾いている時の髪は+の電気を帯びています。そこに-の電気を帯びたブラシでブラッシングすることにより、お互いの電気がぶつかり合うと、静電気として放電されるのです。

適度な湿度があるときは電気が空気中の水分に流れて放電されますが、冬場は湿度が低いため放電されにくく、静電気の発生につながります。

また、毛染めやパーマで髪が痛んで乾燥している場合は、いっそう静電気が起きやすくなります。

 

 

ブラシは天然毛や柄が木製が良い

ブラッシングによる静電気を防ぐもっとも有効な方法は、ブラシの素材選びにあります。

天然の豚毛や猪毛のブラシは人毛に近い性質を持つため、静電気が起こりにくいといえます。

 

天然毛のブラシは毛先が硬過ぎず、頭皮を傷めにくいというメリットもあります。柄が木製のブラシでもある程度の静電気は防ぐことができます。

一方、ナイロン(プラスチック)製は静電気が発生しやすいので気を付けましょう。最近は、静電気が発生しにくい素材のブラシも市販されていますので、ドラッグストアなどでご相談すると良いしょう。

すぐにできる対策としては、シャンプー後にトリートメントを入念に行い、髪にうるおいを与えておく方法があります。

ツヤとボリュームのある美しい髪を保つためにも、ブラッシング時の静電気には気を付けて髪のダメージを減らしましょう。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。