2017.08.23

夏のヘアケア総決算。あなたの髪は大丈夫?

夏のヘアケア総決算。あなたの髪は大丈夫?

髪と頭皮にとって夏はもっとも過酷なシーズン

まだまだ厳しい暑さが続いていますが、夏バテなど起こしてはいませんか?体だけではありません。強い紫外線や汗によって、髪や頭皮も夏バテを起こしている可能性があります。
この夏、海やプールでレジャーを楽しんだ方は、特に深刻な状態かも。海水に含まれる塩分は、結晶するときに髪の水分を奪ってしまうため、パサパサになったり赤茶けたりというトラブルを引き起こします。プールの塩素も髪の大敵。塩素の酸化作用で髪のキューティクルが壊れてたんぱく質が流れ出し、切れ毛や枝毛の原因になります。紫外線の影響を受ける炎天下ならなおのこと。頭皮や髪は、かなり大きなダメージを受けていることでしょう。

※キューティクルは、無色透明で硬いたんぱく質からなり、5~10層重なり合い、髪の内部を保護しています。これが摩擦などで傷つくと髪のなめらかさなどの感触やツヤがなくなります。

この時期の正しいケアが秋の抜け毛を最小限に止めます

夏が終わると、抜け毛の季節である秋の到来。秋の抜け毛は生理現象でもありますが、夏に受けたダメージが大きいほどその本数は多くなります。「ドサッと抜けてたちまち薄毛になってしまった」ということにならないよう、この時期にしっかりとケアすることが肝心です。
日に焼けて乾燥した頭皮をいたわるには、シャンプー選びが重要なポイント。皮膚への刺激が少なく保湿力が高いものを選び、やさしくていねいに洗うようにしてください。パサパサになった髪には、ヘアコンディショナーでのスペシャルケアがおすすめ。毛先などとくに傷んだ部分にていねいにつけてから、蒸しタオルを巻いて数分間。その後、よく洗い流します。

育毛剤&マッサージも朝晩しっかり行いたい

育毛剤によるケアも、この時期はとくにしっかり行いたいもの。必ず朝と夜、頭皮にじゅうぶん浸透するよう適量をつけてから、頭皮の血行をよくするマッサージを行いましょう。
頭皮や髪が弱った状態にあるので、ドライヤーやブラシの使い方にも配慮が必要です。ドライヤーは必ず髪から20cm以上離して使うこと。温風だけでなく冷風も利用して乾かすと、髪へのダメージが少なくなります。ブラッシングは、髪の毛を保護するヘアコート剤やヘアクリームを使いながらていねいに行うと、キューティクルの傷みが防げます。
秋の抜け毛の季節に備えて、育毛剤でしっかりケア。紫外線でダメージを受けた髪や頭皮に配慮して、ブラッシングもやさしくていねいに。

やっていましたか?こんなこと

海やプールでは水分をこまめにふき取る

海水や塩素水で濡れたまま紫外線を浴びると、髪を傷めるだけでなく大量の抜け毛の原因に。休憩などで上がるたびに、タオルで水分をふき取りましょう。

海辺やプールでサイドでは帽子で紫外線対策

強烈な紫外線は、ビーチパラソルだけではシャットアウトしにくいもの。UVカット効果のある帽子などで完全に防御しましょう。

プールでは必ずキャップをかぶる

塩素水をなるだけ髪や頭皮に触れさせないために、スイミングキャップの着用が必須。ただし、蒸れ防止のために時々脱いで風を当てること。

育毛専門医 桑名博士
1954年高知県生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。
シャーレ内での毛包細胞培養に成功後、各種育毛剤を開発する。皮膚科部長を務めた高知赤十字病院時代は日本でも珍しい「育毛外来」を開設。現在は桑名皮フ科院長。日本医学育毛協会理事、日本臨床毛髪学会評議員。